動物病院で酸素室をすすめられたけど、在宅ケアって大丈夫?
在宅の酸素療法は、飼い主さんの正しい知識が不可欠です。
酸素室で肺がんチワワの在宅ケアをしたけど、手探りだった…
この記事では、ペット酸素室を使うときの注意点をユーザー目線でくわしく解説します。
- 獣医師に要相談
- 適正な酸素濃度
- ケージ内の温度
- 出すときの管理
- 火に近づけない
- 臭いの吸い込み
おうちで安全に酸素ケアをしたい人は、ぜひ最後まで読んでください。
ペット酸素室を使うときの注意点
ペットの酸素室を使うときの注意点は、6つです。
- 獣医師に要相談
- 適正な酸素濃度
- ケージ内の温度
- 出すときの管理
- 火に近づけない
- 臭いの吸い込み
まずは、かかりつけの獣医師に酸素室の在宅ケアについて相談をしましょう。
獣医師に要相談
酸素室を使う前に、かかりつけの獣医師に必ず相談すること。
疾患によって、酸素濃度や使用時間が異なるからです。
- 酸素濃度は何パーセント?
- 使用時間はどのぐらいか?
- 酸素室に入れるべき症状は?
- 病院を受診すべき状態は?
通院の負担を減らすため、私はかかりつけの先生に電話で相談しました。
ペットの状態によっては、在宅ケアで対処できないケースも
獣医師のアドバイスをもらってから、酸素室を使いましょう。
適正な酸素濃度
獣医師から指示された、適正な酸素濃度に設定すること。
適正な酸素濃度をキープしないと、効果がありません。
- 酸素流量を調節
- 酸素濃度計で測定
- ケージ開口部で調整
- 酸素濃縮器の流量を確認
ケージが大きいほど、酸素流量が大きい酸素濃縮器が必要です。
高すぎる酸素濃度は、体に害を及ぼす
適正な酸素濃度を保ち、効果のある酸素ケアをしましょう。
ユニコム 酸素濃度計 OX-PLUSケージ内の温度
とりわけ夏と冬は、酸素ケージ内の温度に気をつけること。
ケージ内は空気がこもりやすく、室温とのギャップがあります。
- ケージ内に温湿度計
- 室温を下げる・上げる
- 保冷剤や凍らせたペットボトル
- ペットヒーター
- ペット湯たんぽ
なお使い捨てカイロは発火の危険があるため、入れてはいけません。
直射日光はダメ!ゼッタイ!
換気口がないケージは、定期的な換気が必要です。
快適な室温をキープして、こまめにケージ内の温度をチェックしましょう。
出すときの管理
呼吸の状態が悪いほど、酸素室から出すときに細心の注意を要すること。
酸素濃度の急激な低下は、カラダに大きな負担がかかります。
- スイッチを切る
- 酸素マスクをあてる
- 少しずつマドを開ける
- 最低でも15分以上かける
ポイントは、ゆっくり酸素濃度を下げること
もし酸欠で倒れるリスクがあれば、酸素マスクを用意します。
酸素室から出すときは、酸素濃度の急激な低下に気をつけましょう。
酸素マスク チューブ付き火に近づけない
酸素室は、あらゆる火気・湯煙の近くに置かないこと。
高濃度の酸素は可燃性が高く、激しく燃えるだけでなく爆発することもあります。
- 室内でタバコを吸わない
- 暖房器具やキッチンの近くは避ける
- ホコリが多いところに置かない
- 電源コードを引っ張って抜かない
- 使用しない期間はコンセントを抜く
その他には、線香やアロマキャンドルも火気と煙、ニオイがでるので不可。
静電気・火花・モーター熱・摩擦熱にも注意!
安全第一、発火の不安要素はすべて取り除きましょう。
臭いの吸い込み
臭いが強いモノの近くで、酸素濃縮器を使わないこと。
酸素濃縮器が部屋の空気と一緒に、臭いを吸い込んでしまいます。
- タバコ
- アロマ
- 芳香剤
- 柔軟剤
- 線香
- 香水
とくに犬は嗅覚が良いので、臭いがストレスに。
消臭スプレーも可燃性のため、同時使用NG
ニオイの元となる物を、酸素室の近くに置かないようにしましょう。
ペット酸素室の注意点で見落としがちなこと
ペットの酸素室を使う注意点で、見落としがちなことがあります。
- エアコンの風
- 酸素室の移動
- 入るのを嫌がる
私は途中で酸素室を移動したので、実体験も踏まえてお伝えします。
エアコンの風
エアコンの風を当ててもいいか?よくないか?という注意点。
換気口の有無によって、分かれます。
ケージの種類 | エアコンの風 |
---|---|
クリアケース型 ・換気口あり | NG 酸素濃度が下がる |
テント型 ・換気口なし | OK 温度調節できる |
手作りケージ ・換気口なし | OK 温度調節できる |
換気口があるタイプは、酸素流量の調整をしなくても酸素濃度を一定にしてくれます。
換気口に風が当たると、濃い酸素が外に逃げちゃう
エアコンの風については、ケージの取説をよく確認しましょう。
酸素室の移動
酸素室を室内で移動できるか?という注意点。
なかには、移動がしにくい酸素室もあります。
- キャスター付き
- 酸素濃縮器の重量
- ケージの組み立てやすさ
- 設置オプションサービス
移動するかも?の人は事前にチェック
- 2階に設置したい
- 引っ越す予定がある
- 設置する場所を変更したい
可能性がある人は、移動のしやすさも考慮しましょう。
酸素室を移動して気づいたこと
- 酸素濃縮器がとにかく重い
- 移動中は酸素スプレーが便利
- 場所の移動は車がないと不可能
- ケージがテント型でラクだった
24時間体制でケアをするため、近所の実家に酸素室と犬を移動しました。
入るのを嫌がる
酸素室に入るのを嫌がったらどうするか?という注意点。
無理やり入れるのは、負担がかかってしまいます。
- 出入り自由にする
- 酸素マスクで与える
- 普段のベッドを入れる
- いつものクレートを使う
ペットのニオイがついたベッドや毛布を入れると、落ち着くことも。
いつもと違う環境に敏感な子は、試行錯誤するしかありません。
呼吸が苦しそうなほど、酸素室から出たがらない…
ペット酸素室の注意点Q&A
ペット酸素室の注意点で、よくある質問をまとめました。
- 酸素濃度が上がらないときは?
-
酸素流量を上げるか、開口部を小さくする。
- ケージに入れてはいけないものは?
-
表面温度が70度以上になるもの、使い捨てカイロなど。
- メンテナンスは必要?
-
定期的にフィルターを掃除する。
- しばらく使用しないときの保管は?
-
酸素濃縮器をビニールに包んで、乾燥剤を入れる。
- 酸素濃度計は必要?
-
一定の酸素濃度に安定する専用ケージは不要、それ以外は必要。
- 鳥かごで使うときの注意点は?
-
ビニールと養生テープで、覆うように目張りする。
- 人間が吸っても大丈夫?
-
はい。美容やリフレッシュに使えます。
まとめ:ペット酸素室の注意点を学んで正しい在宅ケアをしよう
この記事では、ペット酸素室を使った在宅ケアの注意点を解説しました。
- 獣医師に要相談
- 適正な酸素濃度
- ケージ内の温度
- 出すときの管理
- 火に近づけない
- 臭いの吸い込み
酸素室は正しく使えば、効果のある安全なアイテムです。
これから在宅ケアをする飼い主さんの不安をひとつでも解消できればと思い、この記事を書きました。