動物病院で、酸素が必要になるといわれた。
そんなとき、在宅の酸素ケアがあるのを知っていますか?
実際のところ、在宅ケアで効果はあるのか不安ですよね。
うちの犬は、肺がんで余命宣告をされました。
悩みに悩んだ末、最期まで一緒におうちで過ごすことに。
いま、在宅酸素療法を選択して本当によかったと思っています。
この記事はこんな方におすすめ!
- 病気や高齢で酸素吸入が必要
- 最期の一瞬までいっしょにいたい
- 酸素室の効果があるか不安
在宅の酸素ケアを検討している飼い主さんが後悔のない選択ができるよう、客観的な情報をまとめました。
犬の酸素室ケアのデメリットと効果の口コミ

呼吸が苦しそう…
できることはないかな?
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在宅酸素ケア
効果ありました!
犬の在宅酸素療法とは?


老犬や心臓、肺の疾患がある犬には酸素室が必要なケースがあります。
ペット用の酸素室というと、動物病院の入院用ケージやICUを思いうかべる人が多いのでは?
在宅ケア用に、ペット用の酸素室レンタルや販売がされています。
いまや、お家でも酸素ケアができる時代になりました。
酸素投与の治療は、入院だけではなく、在宅ケアの選択肢もあることを覚えておきましょう。
在宅酸素療法について、『在宅酸素療法に導くためには』という論文があります。
この論文は、現役の獣医師の先生が発表したものです。
つぎに、この論文から動物の在宅酸素療法におけるメリットとデメリットを抜粋してお伝えしますね。
在宅酸素ケアのメリット
それでは、動物の在宅酸素ケアにおけるメリットからみていきましょう。
いちばんのメリットは、飼い主さんが愛犬と一緒に過ごせる安心感です。
酸素投与のために長期入院となると、いつもそばにいることはできません。
- 動物と飼い主のストレスと不安の緩和
- 入院の費用を抑える
- 獣医師や動物看護師の負担軽減
ストレスと不安の緩和
動物病院が苦手なワンコは多いですよね。
慣れない環境での入院は1日でも、犬にとってストレスがかかります。
また、長期入院となると飼い主さんは頻繁に愛犬の様子を見ることはできません。
大変なときこそ、犬は飼い主さんの側にいたいものです。
費用を抑える
長期入院は、当然ながら診療費がかさみます。
酸素療法は、いつまで必要になるのか予想がつかないです。
長期となると、在宅ケアをした方がトータルで費用を抑えられることも。
また、酸素療法がペット保険の補償対象になるケースもありますが、保険には限度額があります。
動物病院スタッフの負担軽減
犬の酸素療法は24時間体制のため、獣医師や動物看護師の負担が軽減されます。
年中無休で入院管理をしている、動物病院のスタッフも助かります。
こちらは、獣医師の先生視点のメリットですね。
在宅酸素ケアのデメリット
つづいて、デメリットについても上記の論文から抜粋してお伝えします。
意外なことに、在宅酸素ケアには効果があるかどうか?の基準が確立されていません。
ポイントは適正な酸素濃度を在宅ケアで保つことができるか、です。
- 重症化すると、移送が困難になる
- 効果判定の基準が、確立されていない
- 方法に統一性がなく、バラバラ
移送が困難
かかえている病気が重症化した場合、酸素室ごと移送できず対処も困難になるリスクがあります。
入院していれば、何かあったときに獣医師が対応できますが、家ではそうもいきません。
酸素吸入が必要な症状では、数分でも酸素室から出ると苦しそうでした。
看取り目的で在宅酸素ケアをしている場合は、覚悟はできます。
が、そうではない場合は移送ができないリスクが伴うことを理解しておきましょう。
基準が確立されていない
獣医療では、呼吸管理技術が立ち遅れているなかで、在宅酸素療法が先行してきたという背景があります。
飼い主さんのニーズがまず先にあって、個人的なレベルで業者さんと獣医さんが創意工夫をしてきた。
だから、治療法としてのエビデンスが得られにくく、基準が確立されていないということです。
犬の在宅酸素ケアにおいては、何が正解か?が定まっていません。
それでも、在宅酸素ケアを必要としている飼い主さんに求められて現在に至っています。
方法がバラバラ
在宅酸素療法には、統一性がありません。
一般的には、酸素流量だけで処方されていることが多いようです。
酸素流量だけの課題は、酸素ケージだと、酸素が漏れたり、室内酸素が薄くなったりすることがあること。
いくら酸素をたくさん送っても、適正な酸素濃度が保てないと意味がないということです。
酸素流量を確認し適正な酸素濃度にするために、酸素濃度計が必要です。
酸素濃度計は、レンタルまたは購入して用意しましょう。
犬の在宅酸素ケアの効果は?
デメリットもある在宅酸素ケアですが、実際のところ効果はあるのでしょうか?
今回ご紹介した論文には、在宅酸素ケアの効果についてこう書かれています。
在宅酸素療法がもたらす恩恵は、罹患動物や飼い主のみならず、われわれ獣医師や動物看護師にとっても計り知れない
獣医師の先生は、動物にとって恩恵がある、ようするに、効果はあると断言しています。
さらに、オーナーが犬の酸素室を実際に使ってみて感じた効果についてもお伝えします。
ハッキリいいます。
酸素室の効果は、想像以上にありました。
- 呼吸が苦しくて熟睡できないとき、酸素室でぐっすり眠っている顔をみて、ほっとした
- 発作的に咳が止まらなくなったとき、酸素室でしばらくすると、おさまった
飼い主として、やれることを最大限してあげられたと思っています。
いまとなれば、愛犬を自宅で看取れたことも酸素室のおかげです。
最期の一瞬まで、そばにいることができました。
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迷いはありましたが・・
在宅酸素ケアをえらんで
本当に良かったです。
他のサイトより、酸素室を使ったことがある生の口コミを一部抜粋します。
- ほぼ寝たきりの犬が、自力で立てるようになった
- 心臓がわるく、毎日何回かに分けて使っています
- 酸素室があることが、飼い主の心の拠り所になっている
オーナーは、ユニコムの酸素室を使いました。
大切なことなので、最後にもう一度いいます。
在宅酸素ケアが効果を発揮するためには、適正な酸素濃度を保つことが大切です。
酸素濃度計はこまめに確認し、適正な酸素濃度になるようコントロールしましょう。


まとめ
今回は、犬の在宅酸素ケアのメリット・デメリットとその効果についてお伝えしました。
できるだけ穏やかに、最期まで一緒にいたいと願うのは、犬も同じ気持ちではないでしょうか。
在宅酸素ケアをするのであれば、獣医さんに相談し早めに準備しましょう。
Go with me on difficult journeys. Never say, “I can’t bear to watch it .” or ” Let it happen in my absence.” Everything is easier for me if you are there. Remember I love you.
最後の旅立ちのときまで、一緒にいて。「見るのに耐えられない」「いたたまれない」なんて言わないで。私にとって、あなたがそこにいてくれることで、安らかに旅立てるのだから。忘れないで、私があなたを愛しているということを。
〈The Ten Commandments of Dog Ownershipより抜粋〉
この記事が、ペット用酸素室を検討されている飼い主さんの一助になれば幸いです。